文化の香りが色濃く漂う大人の街・銀座の並木通りにある「ダビドフ オブ ジュネーブ 銀座」にお邪魔しました。高級感漂う美しい店構えの扉を開くと、落ち着いた雰囲気の店内にはダビドフの「Time Beautifully Filled – 美しく、満ちていく時間」というコンセプトを体験できる空間が広がっています。
店内右手側にはダビドフのオリジナル商品が美しくディスプレイされ、左手には温度・湿度の管理が徹底された素晴らしいウォークインヒュミドールが備わっています。そして入口からは見えませんが、店内奥にはショップで購入したシガー(葉巻)が楽しめるラウンジ(9席のソファ)が設けてあり、シガーにあったドリンクメニューのご用意もあるので、ゆったりと寛ぎながらシガーを楽しめる空間になっています。
「ダビドフ オブ ジュネーブ 銀座」の店長でシガートレーナーの浜崎達也さんにお話を伺いました。
店長の浜崎 達也さん
「ダビドフ オブ ジュネーブ 銀座」にはじめてお邪魔させていただきました。こちらのお店はいつオープンされたのでしょうか?
こちらは2000年の12月にオープンしました。お店の入り口には「Davidoff of Geneva since 1911」とありますが、「1911」はダビドフがスイスに初めてお店をオープンした年です。
入口正面から
とてもステキなお店ですね。ラウンジがついていることは入口からはわかりませんが、どういったお客様がご利用されているのでしょうか?
銀座という場所柄、お昼と夜とではお客様も異なります。お昼はこの近くでご商売をされている画商やギャラリーの方、ビジネスマンがお昼休みに一服休憩で立ち寄ってくださったりします。ビジネスマンといっても株取引や自営業など、ご自身のお時間を自由に使える方が比較的多いように思います。夜はやはり高級クラブ街ですので、お酒を飲みに行かれる前に立ち寄ってくださる方が多いですね。ラウンジではシガーにあったメニューをご用意しています。シガーと合わせる飲物としてはコニャックが有名ですが、ワインやシャンパン、そしてラムやモルトウィスキーも合います。そして実はコーヒーやエスプレッソ、濃いめのお茶も好相性なのです。お酒はやっぱり夜でないとあまり出ませんが、たまにお昼からシャンパンを飲まれる方もいます。先日、女性の方がフラっと立ち寄られてシガーとシャンパンを楽しんでお帰りになられました。
かっこいいですね!ラウンジはこちらのショップで購入されたもの限定で楽しめるのでしょうか。
はい、ラウンジは基本的にはショップでシガーをご購入された方がお使いいただける空間なので、シガーの持ち込みはお断りしています。ショップで購入されてそのままお持ち帰りになる方も多くいらっしゃいますが、最近はラウンジに寄って吸われる方も徐々に増えてきました。ラウンジがちょっと奥まっていますので、もしかしたら入りにくい雰囲気があるかもしれませんが「知る人ぞ知る」みたいな感じでご利用者も増えています。
ダビドフ初のブラジリアンリーフシガー(写真 左)
こちらのショップには素晴らしいウォークインヒュミドールが備わっていますが、どんなシガーを置いていらっしゃいますか。
主にキューバ産とドミニカ産のシガーで200種類以上はあります。そのほかにニカラグア産とホンジュラス産が1種類ずつあります。最近は、ダビドフの一番新しいラインでブラジルの葉を使用した葉巻も置いております。
ドミニカ産とブラジル産では味わいが違いますか?
味わいは異なりますね。ブラジル産のほうがより甘さが強く、味もちょっと通常のラインよりも強めです。
ダビドフの特徴や魅力を教えてください。
私はダビドフのシガーを作っているドミニカ共和国のダビドフの工場に2回ほど研修に行きました。ちょうど今年2月にも研修で行ってきたばかりです。ダビドフは他のブランドに比べると高価格帯なので、どうしてこんなに高いのかと思いますが、これまでにスイスで研修をしたり、ダビドフが作られているドミニカの工場を視察しますと、これだけの品質管理を行っているというのがわかって納得してお客様へオススメできるというのがあります。ヨーロッパにはすでにシガー愛好者が結構おりまして、ダビドフのようなラウンジを備えたブティックが結構多いのでシガーを喫煙できる場所が充実していました。すでに文化として成り立っている感じがありますね。
日本にはシガーを楽しむラウンジはまだまだ少ないですね。御社ではシガーショップをいくつか運営されていますが、他のショップにもラウンジはありますか?
ほかに「アカンタブティック 帝国ホテル店」「ダビドフ オブ ジュネーブ 東京ミッドタウン」がありますが、ラウンジを備えたショップは「ダビドフ オブ ジュネーブ 銀座」唯一ここだけです。ですので、銀座店でしか扱っていない葉巻というのもあります。
ラウンジを備えたお店にしか置けない葉巻「ラウンジシガー」というのをダビドフで出しておりまして、銀座でしか扱っていません。
それは何が違うんでしょうか?
ブレンドが違うのと、結構大き目のサイズ、ゆったり吸えるサイズですね。
種類がいろいろあるんですね。長くこのお仕事に携わってらっしゃると、生活の中にシガーが普通にあると言う感じでしょうか。
普通といわれるほどでもありませんが(笑)時間が取れると、何を吸おうかなという頭にはなります。仕事が終わった後などTPOにあわせてシガーも変えます。ご来店いただくお客様によっては30年、40年と私以上に葉巻を吸われている方がおりまして、すべてを吸いつくした上で「これ」と決まっている方もいらっしゃいますが、私はまだ勉強中ですので色々吸っています。お気に入りもありますけれども、自分の持てる時間と飲み物に合わせていろいろ吸っています。お酒が最初にあるときもありますし、葉巻が最初にあるときもあります。
今日はこの葉巻を吸いたいからお酒をこれにしようと決めることもあります。反対に今日はこっちを飲みたいから葉巻はこれにしようということもあり、どっちが主役になるか、その時々で変わります。それが葉巻の楽しみのひとつでもありますね。
シガー初級者におすすめの銘柄はありますか?
ダビドフですとベストセラーが「No.2」というもので、それをお勧めするときもありますが、私はもう少し強いランクのものを先にオススメすることがあります。中ぐらいから。だいたい★2つから3つぐらいのものですね。No,2のような軽い葉巻ですと物足りないと感じられる方もいらっしゃいますので、中ぐらいを知っていただいて、もうちょっと強くても大丈夫という方にはより強いものを、もう少し軽めがという方には軽めのものをご案内しています。
「NO.2」の次に人気の商品は?
「ニカラグア」というシリーズと、「ウィンストン・チャーチル」というシリーズです。味わいはミディアムボディですが、今は大きなサイズよりも短くて太いサイズが人気ですね。皆さま、きっとなかなか時間が持てないのでしょうね。だから短くて太いのが最近の人気なんだと思います。
葉巻の時間はだいたいどれくらいですか?
吸う人のペースによっても異なりますが、短い葉巻で約20~30分程度になります。そのくらいの時間で吸いきれるサイズが最近は多いですね。長いものは1本吸いきるのに2時間ぐらいかかりますので、時間をゆったりと持てるときでないとなかなか…。一本吸って、たとえば途中で消してもその日のうちであれば吸うことはできますが、基本は吸い切りがベストです。
メニューなど
葉巻の太さによる違いは?
太いほうがブレンドする葉が増え、細いとブレンドはあまりできなくなりますので味わいも変わります。だいたい5種類ぐらいの葉を使っていますが、細ければ葉はあまり混ぜられないので3種類ぐらいになりますが、基本的なブレンドの感覚は一緒ですね。太さや長さによって味わいがかわってくるので。
基本的にブランド(銘柄)の全体像(雰囲気)を感じ取るためには中くらいのサイズ(ロブスト)が一番バランスがとれていていいと思います。どのブランドでもロブストサイズを必ず出しているので、ブランド比較を楽しむにもそのサイズが一番適していると思います。私も一番好きなのはロブストサイズですね。大体1時間弱で吸いきれるサイズです。割と小さいサイズだと物足りないと感じるときもあるので、
葉巻の中級者・上級者におすすめの葉巻はありますか。
葉巻の中級者・上級者はほとんどの葉巻を吸われているので、経験豊かな方にはブラジルの葉を使った新しい商品などをおすすめします。
≪葉巻初心者の方へ≫
実際に、シガレットを吸われている方は煙を肺に入れる習慣に慣れていると思いますが、葉巻の場合は、煙を口の中にためる「口腔喫煙」ですね。
葉巻は口の中に残る味わいと、鼻に抜ける香りを楽しみます。香りは、吸っている本人よりも周りのほうがわかるかもしれませんね。実際、このラウンジでお客様が葉巻を吸われているときのほうが「こういう香りだったんだ」と気づかされることが多いのです。自分が吸っているとなかなかわからないものです。ちょっと離れたところのほうが香りはしますね。
葉巻の世界をまだ知らない方に向けて、葉巻の魅力をお伝えいただけますか。
欧米に比べて、日本ではまだ敷居が高いと感じられることはあると思うんですけれど、時間をより充実させるために、ひとつのツールとして葉巻はとてもいいと思います。新しい世界が開かれると思います。また、お酒なども、葉巻と合わせることによって違う味に変わっていきます。葉巻は基本的に高いと感じられているかもしれませんが、ダビドフでも1,000円ぐらいからありますので。
ただ、一番最初は知識を持った人に教えてもらって吸ったほうがいいと思います。間違った入り方をすると、葉巻は印象が悪くなったりもしてしまいますので。たとえば肺にいれてしまう人もたまにいらっしゃいますが、そうするとすごく苦しい思いをして「葉巻もう無理」となってしまうのは残念です。初心者の方は、ちゃんと知識のある人に吸い方、葉巻にはマナーもあるのでそういうのを知った上で葉巻の世界に入られることをおすすめします。
葉巻のマナーとは?
たとえば灰の落とし方。灰の消し方。たばこのように灰皿に押しつけて消すのは、マナー違反というより、
葉巻の匂いがでたりとか、中にあるアンモニア臭がでたりとか海外ではいかりを表すしぐさになりますので灰の消し方や落とし方は知識と注意が必要です。
そういうのを知らないと恥ずかしいですね。
そうですね。バーのバーテンダーさんとかには葉巻の勉強をされている方も多いので、バーで「こいつデキるな」と思われたい方はやっぱり学んでから実践したほうが格好つきますね(笑)
「ダビドフ オブ ジュネーブ 銀座」には、いつ来ても浜崎さんのようなシガートレーナーの方はいらっしゃいますか。
シガートレーナーの名前がついているのは私だけですが、スタッフ全員、社歴が15年以上と長く知識も十分にありますので、誰に何を聞いていただいても丁寧にお応えさせていただきます。
今回取材してみて、最後に頂いた「誰に何を聞いていただいても丁寧にお応えさせていただきます。」の言葉を聞き、初心者でも安心してお邪魔できるお店だなと思いました。これからシガーを初める初心者にとっても、シガーの上級者にとっても、なんでも相談できる心強い存在になるのではないでしょうか。私もシガーにはずっと興味があったので、今度ゆっくりお邪魔したいと思っています。
また、取材を通じて葉巻の奥深さや楽しさ、そしてマナーがあることを教わりました。これから葉巻を始める方にこそ、ぜひ「ダビドフ オブ ジュネーブ銀座」へ足を運んでいただきたいと思います。自分にあった葉巻の選び方から吸い方、そしてマナーなど、一連の作業をスマートに行えたらカッコイイですよね。
どうしても銀座は敷居が高いという方には・・・「購入専門になりますが、弊社の六本木ミッドタウンのショップ「アカウンタ」が「ダビドフ」と名前を変えてリニューアルオープンしました。銀座よりも六本木のほうがお客様層がお若いので、ぜひお気軽にお越しください」と浜崎さんが教えてくれました。ミッドタウンのショップにも銀座店と同じような素晴らしいウォークインヒュミドールが備わっているそうですので、ぜひこちらにも足をお運びください。葉巻で新しい世界が開けますように☆
(プロフィール)
ダビドフ オブ ジュネーブ銀座
浜崎 達也(Tatsuya Hamazaki)
一流ホテルでホテルマン勤務を7年務めた後、ブルーベルシガーへ入社。それまでシガー(葉巻)とは無縁の生活だったが、シガーに出会いシガーの魅力を知る。同店の店長でシガートレーナーを務める。
Davidoff of Geneva - since 1911
ダビドフ オブ ジュネーブ銀座
https://bluebellcigar.jp/blog/shop/
東京都中央区銀座8-5-6 銀座並木通り
TEL : 03-5537-5585
営業時間
月-金 12:00-21:00
土日・祝日 12:00-19:00