SAROME SD-6series
金属プレス加工メーカーから始まった職人の業

スタンダードなガスライター、日本製を侮ることなかれ

見た目はただのサイドローラー

サロメ ライター
デュポン・ダンヒル・カルティエ・カランダッシュ。高級ライターとして思い浮かぶのはこのあたり。「高級」とつくからにはそれなりのお値段、安くて\50,000からという金額に加え海外のブランド物という見栄もある。しかしそこは海外製、修理費用等も高く、万が一にも壊れようなものならけっこうな金額がかかる。「趣味喫煙」の世界はそんなものだろう。しかし、そこにクオリティも高く、安くて気兼ねなく「本当に道具として使う」事を想定するとこういった製品が出てくる。

知る人ぞ知るSAROME TOKYO

サロメライター
1940年 昭和15年、プレス板金加工から始まったその会社は昭和24年からライター製造に着手。他には高級精密玩具なども製造していたようだ、金属加工の技術は確かだったようで様々な金属製品を作り、昭和36年にはライターの専門製造業者になった。その時代から続く職人の業がこのライターにも生かされている。

そのデザインは懐かしく、新しい

新作のSD-6シリーズは日本製で、緻密な金属加工の技術から作りこまれる装飾が素晴らしい。写真の物はシンプルな格子柄だが、これが非常に細かく編んだような柄となっている。どこか懐かしい感じのするこの柄は筆者が一番お勧めの柄だ。傷がついたとしてもいい味になるだろう。ガスタンクは金属製で適度な重量感があり、非常に使いやすい。サイズ・重量はH65.4mm×32mm×10mm 約93g(加工により異なる)蓋と本体の継ぎ目も見事と言わざるを得ない。価格は\12,000からとなっている。(2015 12月時点)
サロメ SD-6
画像はフリント交換時の物、上部のスプリングをスライドするとフリントの入る部分が横に出てくる仕組みになっている。とてもスムーズに動くのは気持ちがいい。
サロメ 日本製
底部のガス注入口、ここもきちんと蓋がついている。スプリングがあるのか「カチッ」とした感覚。炎調整もこの部分で行う。

「大人の道具」として素晴らしい完成度

「ライターを手に持つ・キャップを空けローラーを回す・タバコに火をつける・キャップを閉じてポケットに放り込む」この動作のためだけに持ちたくなるのは「製品」ではなく「美術品」だからだろう。そして「美術品」という点では高級ライターに軍配上がるが、それではライターが目立ちすぎるのだ。たばことライター、そして使う人。人を持ち上げるのはきっとこういう製品ではないだろうか。